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≪カメラレビュー Nikon D850≫ ファーストインプレッション 衝動予約買い 

「衝動予約買い」というのは初めての経験だった。
初期ロットに不具合が生じる可能性が高いということは工業製品全般に共通して言えるらしいが、期待と好奇心が理性を上回り、購入に至った。

ニコン社の発売日決定の発表を受け、その日のうちに某家電量販店に購入を申し込んだ(8月24日)。長い約2週間を経て9月8日に自宅に届いた。業績低迷が指摘されるニコンの社運が掛かったD850。期待通りの素晴らしいカメラだった。

ファーストインプレッションをご紹介する。

箱から取り出した第一印象はD810と同じ大きさ同じ重さ。デザインはシャープになった印象だ。

ペンタ部分のデザインが特徴的だ。2007年発売のD700以降、D800、D810とペンタ部分に設けられてきた内臓ストロボが省略された。緊急時にあると助かることもあるが、必要なものではなかったし、このクラスのカメラにつけるレンズは大口径がほとんどで、内臓ストロボの光がレンズ本体やフードでけられてしまうことが多いし、不意に発光しないようにパーマセルテープでガチガチに固定していたこともあったぐらいだ。

ストロボの省略で銘板部分の前方への出っ張りがなくなり、キャノン5D系のようなすっきりとした容姿になった。出っ張りをなくした端正な姿に個人的には好感を持っている。

 

新しく採用されたチルト式画像モニターが非常に便利だ。上方に90度、下方にもほぼ90度モニターの向きを変えられる。高い三脚に据え付けた際や地面に近い高さからの撮影時、ライブビューモードで構図やピント位置の確認がしやすくなった。
また、画像モニターでタッチ操作を採用。メニュー操作、ライブビューモード時はAFとシャッター操作、再生時は拡大縮小がスマホを操る要領で操作できる。設定次第だが、ライブビュー時に画面をタップするとピントが合ったり、シャッターがきれたりする。再生時の画像の拡大縮小はスマホで画像を見る要領でかなりスピーディーに行えるようになった。

 

グリップの握り心地が深くなり握りやすくなった。左がD850、右がD810。5㎜弱の差だが、指の引っ掛かりがだいぶ良くなった。持ちやすくなったため、実際はそんなことないのだが、24-70㎜F2.8を装着した際に重心が、D810 に比べ、レンズ側に移った気がした。
 
バッテリーとカード2枚ずつを(右のD850はXQDとSD、左のD810はCFとSD)入れ、ニコンの接眼目当てDK-19を装着した重さを測ると、30グラムほどD850のほうが重い。
グリップを握った感触でここまで手に感じる重さが変わるのかと少し驚いている。

デザインや機能の変更点はおおむね気に入っている。
現時点でイチャモンを付けるなら、グリップの近くにあるプレビューボタンとファンクションボタンの出っ張りだ。筆者の指が太いせいか、グリップを握る際にボタンのカラー部分に指先と爪がぶつかる。慣れればどうってことないかもしれない。むしろ指にあたるようにして存在感を高め、使いやすいようにしたのかもしれない。

操作ボタンの変更点で一番気になるのがISOボタンとMODEボタンの位置が入れ替わったことだ。シャッターボタンのすぐ手前にISOボタンを配置したのは、左手はレンズ、右手はグリップを握り、ファインダーをのぞきながらISOを変更することを前提としているという意味だろうか。「画素数高いが高感度も使えるようになった。積極的に設定して」というような非常にメッセージ性の強い変更だと思う。

操作ボタンにD4から採用され始めたイルミネーター機能が加わり、夜景撮影時などで心強くなった。

撮影のファーストインプレッションをご紹介する。

使用レンズはPCNikkor 45mm F=2.8、シャッタースピードは 1/800秒、絞りはf=9、ISO感度800。RAWで撮影後レタッチなしでカメラ内で最高画質でJPGに現像。サイズは38.4MBとなった。幅を利かせるデータ量だが等倍にしてみて納得の品質だ。

ファインダーを覗いてみた印象も良い。D810よりもスクリーンが大きく高コントラストに感じた。ファインダー上で線路上の敷石にピントを合わせたつもりで、ライブビュー上で確認すると石の一つ一つがはっきりと見えた。ファインダーの質もかなりブラッシュアップされた印象だ。

上は右下部の列車を等倍で切り抜いた画像。草の葉一枚まで輪郭がわかる解像度だ。D810に比べ、明部と暗部の色の乗り方も余裕がある印象だ。D810も繊細で丁寧な描写が売りだったががD850はさらにグレードアップしている。

1/800秒ぐらいで列車が止まるかなと思っていたが、恥ずかしながら被写体ブレが起こっている。解像度が低ければ気にならない被写体ブレもあらわにしてしまうD850。高精細すぎるカメラも考えものである。

次回は本格的な実践編をご紹介する。

文/写真=アライサトシ

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