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≪至福の30㏄≫ Ardbeg DARK COVE アードベッグ ダークコーヴ

オールドボトル、限定ボトル、レギュラーボトルを問わず美味しかったウィスキーを気ままに紹介、テイスティングする企画。30㏄で広がる非日常の世界をご紹介します。

第1回「Ardbeg DARK COVE アードベッグ ダークコーヴ」

スコットランドアイラ島で操業するウィスキーメーカー「アードベッグ」の2016年限定ボトルです。

アードベッグダーク・コーブ-0024tri

ボトル名「ダークコーヴ」は、スコットランドのウィスキーづくりの歴史にちなんだボトル名です。
18世紀初頭、隣国のイングランドが「合同」という形でスコットランドを統合しました。まもなく、対外戦争の費用をまかなうためにスコットランドのウィスキーに対して重税を課しました。この法外な重税は統合前の15倍ほどにも膨れ上がり、1823年の酒税法改正まで続きました。
この間、
アイラ島のウィスキー生産者はイングランド人収税官の監視をかいくぐりながらウィスキーを密造。詰めた樽を海岸の洞窟に隠し、夜な夜な船に積み込み出荷していました。実は、この樽に詰めて薄暗い洞窟に隠す行為が樽熟成の起源となったとされています。

「ダーク」は「暗い、腹黒い、秘密」の意味があります。「コーヴ」は「奥まった場所」の意味があり、具体的には、入り江、洞窟、(森、山中の)狭い道などを指します。

ダークコーヴのプロモーション用ショートムービーを見つけました。


密売人が入江の奥にある洞窟で樽を船に積み込むシーンが登場します。アイラ島で時には違法な手段を選びながらもウィスキー造りを生業として守り育んできた歴史へのリスペクトがボトル名に込められているように感じます。

アードベッグダーク・コーブ-0019tri

アルコール度数は46.5%。色はダークシェリー樽で熟成しただけあって濃い目の琥珀色。ドライフルーツ、チョコレート、トフィーのような甘めの香りが豊かでピート香とのバランスがとれています。余韻は短く、ストンと消えます。

「ピートくさくてアードベッグはちょっと」という人でもトライできるアードベッグだと思います。 馴染みのバーで解禁の直後にストレートで頂きました。ボトルはほとんど開けたての状態。瓶の中で空気と触れてどのように香りが開くか楽しみです。

—追記

どんな感じで香りが開いたか確認してみたくて、数日後、訪れてみました。
今回の飲み方はトゥワイスアップです。といっても1:1ではなく、少々のミネラルウォーターを加えました。水の量は全幅の信頼をおいているマスターにお任せです。5ccぐらいだったと思います。

結果としては、香りが膨らみました。口の中に残る香りも豊かになりました。加水はおすすめです。
マスター曰く「えぐみ、渋みが強めのウィスキーは加水すると香りが立ちやすいんです」。

アードベッグダークコーヴ-0131

加えたスコットランド産ミネラルウォーターのディーサイド

限定ボトルとは一期一会が基本。ダークコーヴを飲めたことはありがたいことです。ただし、ボトルの流通量が少ないのは理解できますが、正確な情報が非常に少ないのが残念です。
ネット上では、通販、オークション等で15千円以上の価格で取引されてますが、正直、希少性が先行している価格だと思います。

次回はキャンベルタウンのピーティーなウィスキー、Longrow CV ロングロウCVをご紹介、テイスティングします。

文/写真=アライサトシ

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