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≪自宅探検≫ テクニクス SL-1200

丈夫でシンプル。思い出を蓄積できるターンテーブル

テクニクス SL-1200

アーム

 

世界的にレコード人気が再燃している中、2016年冬にDJ用ターンテーブルの名機「SL-1200」が再発される。このニュースは、青春時代にクラブと呼ばれるダンスホールへ通った30.40代の方々の琴線に触れるらしく、僕の周りでよく話題に上る。とは言え、この世代の多くは仕事や家族に時間とお金のほとんどを投入しており、「DJになりたいんで買うわ」なんていう人は今のところ周囲にいない。ただ、勘違いしてほしくないのは、再発されるSL-1200を買おうという人が周囲にいないのは、あくまでも生活による制限があるからであり、大人の嗜好品としては一流だし、生活に余裕がある人は購入して損はないと思う。

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さて、僕の家にはSL-1200が2台あり、現役で活躍している。十数年も使っている製品なんて家中さがしてもそんなにはない。

購入のきっかけは学生時代。大学に入学してすぐ友達とクラブイベントというものを企画・運営してみた。レコードもなければ、知識やテクニックもなく、お気に入りの曲をCDでデタラメにかけるだけの恥ずかしいDJだったが、みんな優しくほめてくれたし、人前に出たことのない当時の僕にとっては(遊びに来てくれた同郷の仲間にも)、ものすごい体験だった。

後日、同郷でこの日のイベントに来てくれた友達の斉藤君が本格的なDJ活動をスタートした。テクニックを磨いたり、仲間を引き連れてイベントをたくさん開いたり。言葉に出せなかったが、一歩先に進んだ感じがしてカッコいいなと嫉妬したのを覚えている。そんな斉藤君のアパートにあったのが、このSL-1200だ。質実剛健、それでいて色気がある。本当に魅力的な道具だった。当時の僕には高額でとても買えないものだったけど、いつかは手に入れたいとずっと思っていた。

そして、社会人になりローンを組んで買ったのが、自宅にある2台だ。購入後は、クラブや結婚式場、バーやカフェに持ち込み、いろいろな場所でプレイをさせてもらった。生真面目に回すこともあれば、酔ってしまい適当に曲をかけるだけの時もあった。僕の気分や状態にムラはあったが、SL-1200は毎回同じパーフォーマンス。本当にいい機械だった。シンプルで飽きのこないルックス、多少乱暴に扱っても壊れないタフネス。長く使用できるから、たくさんの思い出が詰まる。便利だけど思い出が蓄積されない最近の機械に物足りない方。購入を検討してみたらいかがでしょうか?高いかな?

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SL-1200

1972年の発売以来全世界で累計350万台売り上げた、ターンテーブル。

暗闇での視認性の良さや、トルクの強さなど現場のDJプレイに向いている。

2010年に生産中止になったが、2016年に再発が決まる。

文=マツシタ ヤスミ

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