第10回 川崎市臨海部の工場夜景(神奈川県川崎市川崎区夜光界隈)
工場夜景といえば、煌々と照らされる、複雑に配管が張り巡らされた巨大で無機質な建物群を想像します。
華やかな重化学工業プラントは臨海部に建設されます。そのため、日本中、どこの工業地帯に行っても、実は、似たような風景が広がっています。
工場夜景に地域性を探すことも夜行走光のテーマです。京浜工業地帯の一角をなし、都心からも近い川崎らしい工場夜景を探しに訪れました。
撮影ポイントを丁寧に探すには自転車が適していると考えました。川崎区夜光交差点近くのコインパーキングに車を停め、自転車で出発。この日は、工場排ガス、天気、風向きの影響か、なんとなく息苦しさを感じました。
川崎市川崎区浮島町で撮った工場夜景ですが川崎らしさを感じません(上)。工場夜景に地域性を持たせるなら工場とは関係ない人々の営みを夜景に盛り込むしかないと考えながらペダルをこぎました。
夜光交差点から南西に2㌔、川崎市川崎区水江町の東京液体化成品センター川崎営業所近くの壁に落書きがありました。色がくすんでいて良い雰囲気を醸し出しています。質の悪いイタズラ、犯罪ですが、風景のアクセントになっています。「落書きが川崎らしさ?なんだかなー」という感じではあります…。
夜行交差点の1㌔南西。屋形船や釣り船が停泊している入り江がありました。長八海運(株)が運航する屋形船です。長八海運では「川崎工場夜景屋形船クルーズ」、「横浜ベイブリッジコース」、「東京お台場コース」、桜の時期は「隅田川コース」を用意しているそうです。川崎の工場夜景や、東京、横浜の市街地の夜景を遠くに望みながら一杯やるのもいいかもしれません。
川崎らしい工場夜景を求め今後も川崎を探索します。
文/写真=アライサトシ